GPS周波数標準器の導入 

屋根の上にアンテナを設置し、電源を入れておくだけで正確な周波数標準器が実現できます。
GPS衛星に搭載されたセシウム周波数標準器に同期するので 、校正不要と言うのが人気の一つです。
アンテナは空が広く見渡せる場所で有れば、申し分有りません。
HP Z3801Aと言うモデルが、ひと頃話題になりました。 
話の種に1台入手しましたが、設定にパソコンを接続しないといけないので現在はGPS周波数標準器は単独動作が出来る機種だけになりました。
今回は、予備用に入手したGPS周波数標準器を紹介します。  



ARBITER SYSTEMS 1083B SATELLITE CONTROLLED FREQUENCY STANDARD / COMPARATOR   メーカーのカタログ画像より
詳細は、ここをクリックして下さい。 
http://www.arbiter.com/catalog/clock/1083/1083.php


 

製品画像の左側が、オプションの外部周波数測定用コネクター    裏側に取り付けスペースが・・
惜しい事にこのオプションが内蔵されていませんでした。  これについては、後日談が・・・下の方に記載しています。

電源を入れると( 裏面にも電源スイッチはありません。 常時通電状態にするので不要と言う考え方からなのか?)、システム・チェックの後に衛星を捕捉します。
内部の水晶発振器( OCXO )が暖まり、ロックするまでに約1時間掛かります。 完全な安定まで約1日



12chレシーバーを内蔵しています。 衛星は10個見えていて、9個を捕捉している状態です。
今までの観測では、11個見えて10個を捕捉したのが最高です。



現地時間、UTCなどの表示が出来ます。



アンテナの設置位置表示



内部水晶発振器( OCXO )の温度・誤差情報




すっきりとしている1083Bの内部  中央・左下寄りの小さな基板がGPS受信ユニット  右上が出力部  左のユニットから1,5,10MHz
出力ユニットは、各周波数のBPFとアンプが内蔵されている様です。



12chレシーバー



基準発振器と1MHz / 5MHz / 10MHz出力回路



Wenzel Associates社製 OCXO 5MHz 低雑音タイプ

Wenzel Associates社製 OCXOの詳しいデータは、ここをクリックして下さい。  PDF型式

この機種は1 / 5 /10MHzの校正が出来るように、周波数測定ユニットがオプションで用意されています。
GPS受信機を基準にして、外部から入力した信号の時間経過に対する偏差が表示できます。
購入した本体には、残念な事に取り付けられていません。
オプションを自分で取り付けようと思い、メーカーに費用を問い合わせました。
ユニットを取り付けるには、製造元に送る必要があると返事が届きました。
自分でも取り付けられる様な小さな物ですが、壊れた時の事を考えて製造元での作業に限定しているのでしょう。
取り付け費用は$800の他に送料などが加算されます。
アメリカの友人に依頼して発送する事になりました。 2008年10月23日に発送 
  
2008年12月18日 無事に戻ってきました。



取り付けるのはこの小さな基板だけかと思っていましたが・・・


メイン基板の上に、もう1枚の基板が追加されていました。

GPSアンテナ・ケーブルも新しい物に交換されていました。


周波数測定は、1MHz / 5MHz /10MHz サイン波を入力します。
1MHz / 5MHzのLEDが同時点灯の場合は、10MHzが入力されている事を示します。


オプション取り付けで、こんな画面が表示されます。


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1083Bはオプションで1 / 5 / 10MHz出力ユニットを追加できます。 
安上がりにする為、開いているスペースを利用し分配器を取り付けて、4出力にします。
コネクターの空きは5つあり、1つをジャンパ・ケーブルで接続、分配器に入力します。
1 / 5 / 10MHzの各出力は、10dBm以上有り、4分配しても0dBmは得られます。
周波数カウンターやスペアナなどの外部基準周波数の必要レベルは、+10 から 0dBm程度なので問題は無いと思います。

用意した部品 合計で約3万円ほど掛かりました。
1,スプリッタ MiniCircuits ZMSC-4-2 2KHz - 20MHz / 4分配
2,BNCメス / SMAメス 変換アダプター 5個
3,ケーブル( 両端 BNC / SMA ) 6本


分配器を取り付け後の様子 SMAケーブルが漸く届き、2009年1月14日に完了しました。


10MHz出力にLPFを接続( 内蔵 )し、分配後のハーモニクスを測定してみました。 Agilent 4402B スペアナを使用

注:1083Bは、日本国内代理店でオプション込みで70万円程度ではないかと思います。
本体は知人ルートから破格値で入手したので、同機種が必要な場合は直輸入か代理店経由で購入して下さい。

アンテナとケーブルは貰い物で、パイプに取り付けやすい古野製を使っています。

 貰い物の古野製 GPSアンテナ
ケーブルは約30m引き回していますが、衛星捕捉は充分に出来ています。

・総合利得:30 ±4 dBi
・コネクタ形式:BNC-P
・出力インピーダンス:50Ω
・プリアンプ電源:4 〜 13V
・消費電流:25mA( 標準 ),30mA( 最大 )
・形状 直径:42( 頂部 )〜52( 底部 )mm 長さ:290mm
・動作温度:-30 〜 80℃
・耐候性 :JIS A 1415 WS型相当
・耐水性 :JIS C 0920 IP-X6相当
・耐塩水性:JIS Z 2371相当



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