いろんなアンテナの受信感度の比較について

2009年 6月 11日 中波帯のアンテナ( アンプ無し・同調タイプ )の比較を行いました。
今回2種類のアンテナを作りましたが、以前に製作した物よりもかなり改善されて好結果が出ました。

受信地:東京都文京区湯島のビル 6F
受信機:microtelecom社製 
PERSEUS

この表は、それぞれのアンテナを各放送局の信号が一番強く受信出来る位置に向けて同調を取った時の信号強度です。 単位 = dBm
dBm表示をSメーターに換算すると、以下の様になります。 
S9 = -72dBm S9 +10dB = -62dBm S9 + 20dB = -52dBm S9 +30dB = -42dBm


NHK第1

594kHz

NHK第2

693kHz

AFN

810kHz

TBS

954kHz

文化放送

1134kHz

ニッポン放送

1242kHz

ラジオ日本

1422kHz

1
10Φ X 200mm

-65.8

-68.7

-71.5

-79.1

-80.4

-87.0

-90.7

2
25 X 10 X 200mm

-58.4

-60.6

-62.5

-70.3

-74.1

-77.9

-82.1

3
226mmΦループ

-55.1

-57.5

-59.6

-67.9

-74.8

-76.6

-79.9

4
10Φ X 200mm

-52.5

-54.7

-58.8

-66.6

-65.4

-71.5

-77.2

5
10Φ X 250mm

-50.4

-51.3

-52.4

-61.9

-69.5

-69.5

-75.5

6
25.4Φ X 304mm

-42.8

-42.8

-46.8

-55.1

-56.7

-63.4

-69.7


4,5,6 番のアンテナは、同調時のピークが取りやすく感度も抜群です。 1と比べると、信号が大きく浮かび上がります。



左下:No.1 使用しているフェライトの大きさ 径:10mm 長さ:200mm 0.051mm / 15本リッツ線
右下:No.4 使用しているフェライトの大きさ 径:10mm 長さ:200mm 0.051mm / 15本リッツ線
中央:
No.5 使用しているフェライトの大きさ 径:10mm 長さ:250mm 0.051mm / 15本リッツ線 



左上:No.2 使用しているフェライトの大きさ 幅:25mm 長さ:200mm 厚さ:10mm 0.06mm / 180本リッツ線
右上:No.3 TECSUN AN-100 中国製ループ・アンテナ  径:226mm
下:No.6 使用しているフェライトの大きさ 径:25.4mm 長さ:304mm

備考:No.1とNo.4で使用しているフェライトと線材は同じ物です。 1次コイルと2次コイルを工夫し、10数dBの改善が見られました。
   特に、低い周波数帯でのピークが強く出る様になりました。
   10数dBの差があるので、プリアンプ1段分に相当します。 アンプを使用しないので、すっきりクリアに聞く事が出来ます。
   このアンテナを近日発売予定しています。



No.3 ループ・アンテナ( 径:226mm ) と No.4 フェライト( 径:10mm 長さ:200mm )アンテナの大きさ比較
コンパクトなフェライト・アンテナの方が、全体に好結果になりました。

dBm表示の比較では、体感しにくいかも分かりません。
そこで、以下の3種類のアンテナで比較してみました。



右:使用しているフェライトの大きさ 径:10mm 長さ:200mm 0.051mm / 15本リッツ線 
コイルは従来の巻き方
中央:
市販のバー・アンテナを使用 幅:10mm 厚さ:5mm 長さ:110mm 
右:使用しているフェライトの大きさ 径:10mm 長さ:200mm 0.051mm / 15本リッツ線 
新しく作ったアンテナ

都内では比較的弱いラジオ日本 1422kHzでテストしてみました。
アンテナは同じ位置に置き、一番強くなる方向にして同調を取っています。



長さ:110mmのバー・アンテナ S=6


従来の200mmバー・アンテナ S=7ちょい



新しく作った200mmバー・アンテナ S=9+25dBくらい
これだけ差が出ると、下手にアンプを入れるよりノイズもなく効果的です。



2010年3月13日 
ミズホ通信(株)UZ-8DX
ウルトラ・ループ・アンテナと回転式バー・アンテナの受信感度比較をしてみました。


テストをしたアンテナと信号源・スペアナなど

東京都文京区湯島のビル内において、テストしました。 
アンテナの位置は信号源のアンテナから同じ場所に設置しています。 
UZ-8DXのアンプを動作させた時と、動作させないアンテナだけの状態のデータを取っています。

テストに使用した機材は、以下の通りです。
信号源 Panasonic VP-8131A 10kHz - 280MHz AM / FM標準信号発生器
標準アンテナ 目黒 MLA-1001B 100kHz - 30MHz テスト用ループ・アンテナ
ROHDE SCHWARZ FSH3 100kHz - 3GHz スペクトラム・アナライザー

感度差は、互いの測定値を引き算する事で求められます。 測定値の単位:dBm

dBm表示をSメーターに換算すると、以下の様になります。 
S9 = -72dBm S9 +10dB = -62dBm S9 + 20dB = -52dBm S9 +30dB = -42dBm

周波数( kHz )

ウルトラ・ループ

アンプ非動作時

回転式バー・アンテナ

アンプ非動作時

ウルトラ・ループ

アンプ動作時

回転式バー・アンテナ

アンプ動作時

AOR LA390

常時アンプ動作

550

-63.9

-78.3

-34.9

-55.4

-48.9

900

-62.3

-77.6

-27.9

-48.7

-45.9

1250

-60.5

-76.5

-23.1

-47.5

-42.6

1600

-68.7

-78.6

-46.3

-51.0

-40.1



参考として、AOR LA390 ループ・アンテナのデータも載せておきます。
LA390は20dBのアンプが常時入っているので、アンテナ部分だけを切り離して使用できません。

考察:ウルトラ・ループ・アンテナと比較して回転式バー・アンテナは20dB程度の差が出ていますが、大きさを考えれば良しとするのが適切な評価ではないかと思います。


ベランダなど屋外にアンテナが建てられる状況なら・・・こんな使い方も出来ます。

室内のバー・アンテナでも受信環境があまり改善できない。
ベランダや屋外にループ・アンテナなら建てられる( 設置できる )が、同調式だと製作が面倒だ。

こんな時には、非同調式のアンテナ + 同調式バー・アンテナを組み合わせるのが一番です。
結果は非同調式のアンテナだけの場合と比較すると、全帯域で10dB以上の感度上昇となりました。
下手にアンプを接続するよりも、簡単に効果が実感できると思います。
ループ・アンテナは指向性があります。

非同調式のアンテナは、作り方は簡単です。
マグネチック・アンテナ マグネチック・ループアンテナ 電磁ループ・アンテナで検索して下さい。
いろんなアンテナが見つかります。
中波帯ではこちらのページが詳しい画像があり、親切に解説されています。

http://www.ddd.eek.jp/ddd/56-loopant-bcl/

内容としては、どのアンテナもあまり変わりません。 製作の自由度が高く、性能も期待できます。
以下の物が必要です。

◎ 直径70cm程度のフラフープ、屋外排水用パイプ  直径は大きければ効果が高くなりますが、適当に決めて下さい。

◎ 同軸ケーブル パイプの中に数回巻けるだけの長さが必要です。 受信用なので1.5D2Vなど細い物で問題有りません。
  太めのケーブルを巻き、パイプの中に入れないで使っても良いです。
  巻数が1回では感度不足と感じたので、巻けるだけ巻いてみたら7回巻く事が出来ました。
  5回ほど巻くと、長波帯もそこそこの感度が得られます。
  簡単に作れるので、巻数を変えて良いと思うまで試して下さい。
  室内までのケーブルも必要なので、忘れないように。 中波帯では損失も少ないので、1.5D2Vでも充分です。
  細い方が室内に入れる場合には都合が良いのでは?

◎ 今回用意したループ・アンテナには、マッチング部分はありません。

2009年 11月 14日 バー・アンテナ、ループ・アンテナの比較を行いました。

受信地:東京都文京区湯島のビル 6F
使用した受信機 microtelecom社 PERSEUS
バー・アンテナは室内に設置、ループ・アンテナは6F非常階段に仮設しています。



フラフープの中に、1.5D2Vケーブルを5回巻いています。

バー・アンテナは、長さ:180mm  径:10mmのフェライト・ロッドに巻いています。 過去に作った物を使用しています。



ループ・アンテナとは、バー・アンテナの上にコイルで結合させています。  一番感度が良くなる所にスライドさせます。
巻数が多くても少なくても気にしないで、まずは巻いてから聞いてみる。 これが大事です。

NHK第1

594kHz

NHK第2

693kHz

AFN

810kHz

TBS

954kHz

文化放送

1134kHz

ニッポン放送

1242kHz

ラジオ日本

1422kHz

バー・アンテナ

-59.3

-62.4

-61.8

-62.9

-59.2

-79.2

-80.4

ループ・アンテナ

-51.1

-52.7

-54.9

-57.9

-55.4

-72.7

-79.4

バー + ループ

-40.8

-42.3

-42.4

-45.5

-40.5

-56.7

-62.8



この表は、それぞれのアンテナを各放送局の信号が一番強く受信出来る位置に向けて同調を取った時の信号強度です。 単位 = dBm
dBm表示をSメーターに換算すると、以下の様になります。 
S9 = -72dBm S9 +10dB = -62dBm S9 + 20dB = -52dBm S9 +30dB = -42dBm

結果から分かる様に、効果は抜群に良いと思います。
これから同調式バー・アンテナを作る場合は、外部アンテナ用のコネクターや端子を取り付けておくのも良いですね。

更に、外部アンテナ用端子を取り付けた物を作ってみました。 外部アンテナチューナーとして動作します。


ダイアル位置が上にある物はフェライト・ロッドに 100 X 10mmを使用、横にあるのは120 X 10mmを使用しています。

以下は、各周波数での同調例です。 基準レベルは0dBmです。
周波数が高くなると挿入損失が増えますが、非同調アンテナをそのまま接続する場合では損失は気になりません。
赤色矢印がマーカー点です。 MKR(1)に周波数と同調時の挿入損失が出ています。






この下の画像は、ノッチ機能を持ったチューナーです。 フェライト・ロッドは120 X 10mmを使用しています。


サンプル機では50dB以上減衰しました。
通過域の挿入損失が10dB近いのが難点なのと、1周波数だけを減衰させる目的には適しますが複数の周波数を減衰させる事は出来ません。
また、近接局にも効果は薄いでしょう。



2010年最後のアンテナ感度比較テスト      テストした場所:秋葉原・東京ラジオデパート6F
2010年7月に文京区湯島で間借りしていた会社が破産して急遽移転を強いられた関係で、以前とは環境が違ったものになりました。
受信環境も悪化してしまいました。


Magical Stick2とミズホ通信 UZ-8DXに使用しているフェライトの素材・大きさは同一です。
微妙な感度差の原因は、それぞれのインダクタンスの差によるものと思われます。



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