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当社は通信販売を主体にして、超長波 〜 長波 〜 中波 〜 短波帯  1Hz 〜 30MHz程度までの
バー・アンテナ / スパイダー・コイル / リッツ線 / フェライト素材などの販売をしています。

運営は、マイクロ・パワー研究所( http://mpl.jp )が行っています。

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Heathkit MR-1010 方向探知受信機のアンテナを交換してみました!
ヒースキットから販売されていた方向探知受信機の交換用アンテナを試作してみました。
1977年に発売されたので30年ほど経過していますが、ラジオとしても高感度で聴きやすくお勧めの受信機です。
信号が一番強くなる方向に上部のアンテナを回転させます。 360度どの方向にも回転できます。
本体の向きを変えないで、良く聞こえる方向にアンテナを廻すだけです。
高周波増幅1段、455kHz CRYSTALフィルター4段で選択度も良いです。
( マニュアルにはCRYSTAL FILTERと記載されているが、実際は東光製のセラミック・フィルターの様です。)
一般仕様は、
ここをクリックして下さい。

方向探知受信機マニアのページも面白いです。 http://www.angelfire.com/space/proto57/rdf.html

HEATHKIT MR-1010 受信周波数: 長波帯:190 - 410kHz 中波帯:533 - 1600kHzの2バンド
前面パネルはスッキリしています。 バンド切り換え・感度調整ボリューム・音声ボリューム・選局ダイアル・表示・メーター
表示はLEDではなく、懐かしいプラズマ・ディスプレイで見やすいです。 周囲が暗くなれば、表示も暗くなります。
電池で使用している時は、20秒で消灯する様です。
センサー( CDS )は、表示部下のVOLUMEと印刷してあるOとLの裏側にあります。
電池の消費を抑えるために、必要な時にスイッチを入れると周波数が表示されます。 消灯時:DC12Vで30mA程度 点灯時は0.25A程度です。
電池( 単一 X 6本 )でも動作するので、屋外で聴くのも良いかも分かりませんね。

RFゲインを絞ってアンテナを回転させると、聞こえなくなる所があります。 Sメーターが最少になる所です。
これを利用して現在位置を把握する訳です。
現在、メーター回路がおかしい( 動かない )のとロッド・アンテナの先端が折れて無くなっています。
電源コネクターに半田でコードを直付けしてあったので、このコネクターも交換しないと。
方向探知よりもラジオとして使おうと入手したので、気長にマニュアルを探してメーター回路を修理したいと思います。
暫く時間が経過して・・・
マニュアルの手配を済ませたので、届くまでにロッド・アンテナと電源コネクターの交換をしました。
組立マニュアルと使用方法の2つを手配したので、今後のメンテナンスには困る事は無いと思います。

メーターの配線を外して導通を見たところ、コイル切れなのか導通がありません。
正面パネルを外して、メーター・スイッチの様子も確認したいのですが、マニュアルが届いてからにしました。


HEATHKIT MR-1010の内部 大きめのスピーカーで聴きやすいです。
減速比を大きく取ってあるので、選局はスムーズで楽です。 
時々ダイアル糸が外れてしまい、巻き直すのが面倒なのでバリコン側のプーリー近くとバリコンの取り付け穴にダイアル糸を結んで
少しだけテンションを強くして外れないようにしました。
XTALフィルターが4段入っています。 スピーカーの左下、赤色・四角の部品が4つ並んだ部分です。
どう見ても、セラミック・フィルターにしか見えませんが・・・どうやら、東光製のセラミック・フィルターらしいです。


ケースを開けてアンテナの裏側を見ました・・360度回転しても線が絡まない様に、6.3mmステレオ・ジャックを使用しています。


アンテナ部分の裏側  フェライトの大きさ 長さ:178mm 幅:20mm 厚さ:10mm

 
長波帯の結果 Q値が異常に低すぎる?

  
中波帯の結果 これもQ値が低い


コイル部分の拡大・・同じ巻き数のコイルを対象に巻き、合成しています。 巻いてある方向は逆向きになっています。

片側のコイルを測定してみました。

 
長波帯のデータです。

  
中波帯のデータです。

片側のデータを見る限りは低めながらそんなに悪くない特性ですが、合成すると悪くなるのかも分かりません。
ただ、実際に受信しても感度が悪いとは感じません。
聞こえなくなる方向もちゃんと判別できるし、元々こんな物かも分かりません。


試しに、交換用アンテナを試作してみました。
フェライトは、長さ200mm 幅25mm 厚さ10mmを2本繋いでいます。

 

  
上の5つのデータは、コイルの片側です。 線の間隔は適当に巻いているので、もう片側が10μH程多くなりました。
メーカー製の様に綺麗に巻けないのが辛いところです。
その為、1回巻き数を減らしています。 35回と34回巻いています。

 

  

上の5つのデータは、2つのコイルを合成したものです。 低い周波数帯ではかなり改善されています。
インダクタンスはオリジナルに近くなり、Q値は大幅に改善されました。
長波帯ではかなり効果があるように感じます。


オリジナルと大きさの比較  オリジナル:190グラム  試作品:890グラム( フェライトは2本で400グラム ) 長さ:約42cm
パイプに入れた後のデータを取ってみました。 上記のデータとは数日後に取っています。

 

  

引き出し線を短くしないままパイプ内に収納しているので、パイプに入れる前のデータと違ってきています。
ぎりぎりまで引き出し線を短くしてから、使ってみたいと思います。
ただ長波帯に関しては大きく改善されているので、かなりの効果が期待できます。

メーター回路に異常はなく、メーターのコイル切れでした。 同じ形状の物を探し、目盛板を移植して交換作業を終わりました。
メーターの後ろに照明用のランプが有りますが、ランプ切れでも無くスイッチの接触不良も無いのに点灯しません。
ランプのソケットに問題が有るらしく、そのままオリジナルに戻してもつまらないので3mmの白色LEDを2個直列接続して交換しました。
ランプ回路の面白い処と言うか、戸惑うのはスイッチの位置です。
スライド・スイッチで上側がONだと慣れていますが、これは下側がONになっています。

同じ場所でアンテナを交換して比較してみましたが、1MHz以下は試作品の方が良い結果が出ました。
特に594kHz ( NHK第一 )で比較すると、試作品のアンテナで方向を合わせてRFゲインをメーターの80%位にしてオリジナルに交換すると
全く聞こえてきません。 RFゲインを上げれば聞こえるので差は歴然です。
長波帯ではより顕著にその傾向が出ます。 ノイズの少ない野外で聴けば、遠距離も楽しめそうです。
長波帯の受信範囲を190kHzから170kHzに変更しました。 上限が410kHzから390kHzまでになりました。
これで、HEATHKIT MR-1010のレストア作業は終了とします。





 
珍品!? SONY TD-81

昔のSONYは冒険心が溢れていました。  こんな方向探知受信機もあります。
持っている人は少ないでしょうね。 部屋の段ボール箱に入れたままにしてあります。


Lokata 7 長波帯方向探知受信機

イギリス製の長波( 250 - 450kHz )を利用した方向探知受信機です。
アンテナが内蔵されているので、交換は無理みたいです。



表示部下の丸い部分が同調ダイアル  右上にあるのが音量ボリュームで、取っ手部分の内側上部にあるのがスイッチ
下には単三電池が4本入る電池ホルダー、その右側にイヤホン・ジャックがあります。
両耳レシーバーが付属していて、、音声をモニターできます。
実際に外で聞いてみると、279kHzのロシアからの放送や300kHz台のビーコンが良く聞こえてきます。
ただ電池寿命を長く持たせるために、スイッチを操作しないと1分で電源が切れてしまいます。


表示部分 大きな数字が周波数です。

 

手に持ちながら、ファインダーを見て方位を確認します。 

仕様書です。

同じメーカーで、兄弟機種もあります。


SEAFIX 2000



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