Qメーターが無ければ分からない事実とは?


Qメーターが無ければ分からない事実を1つ紹介します。
それほど大げさな事では無いのですが、線材の処理には注意しましょうという実際の例です。



フェライト・ロッドにコイルを巻きました。
収縮チューブを被せ、さあ完成!

 コイルの出来は、まあまあです。

さて、ここからが気を付けないといけない盲点です。



線材が少し余ったし、切れないようにフェライトにセロテープで固定しました。

 あ〜ら、不思議!  Q値が極端に低下しました!
同調はするけれど、シャープさが全く無い状態になります。


ビニール・テープを1回巻いた上に線を乗せて、更に1回巻いてみると・・・

 
Q値が少し下がったものの、ほぼ同じ状態に

コイルの処理方法で、Q値が極端に低下する実例でした。



各種コイルの比較ページと重複しますが・・・
コアの上にファイルを入れる時に使うクリア・ファイル( 材質はポリプロピレン? P.P.と表示があります。)を切った上に巻いています。
ちょっと厚手なので折り曲げにくい為、紙の上に巻こうと適度な堅さのマット紙を買ってきました。
これが曲者でした。 リッツ線も同じ物を使用しているのにQ値が異常に低くなります。
どうやらマット紙の損失が大きいようです。 他の紙は試していませんが、コイルを巻く時はクリアファイルなどを切って使って下さい。

 
買ってきたマット紙と、マット紙の上に巻いたコイル

以下のデータは、端からコイル部分まで16mmの位置で測定したものです。 クリア・ファイルの上に巻いています。
  
  

以下のデータは、端からコイル部分まで82mmの位置で測定したものです。
  
  

次に、マット紙の上に巻いて測定すると・・・Q値が極端に低下しているのが確認できました。
以下は、コイルを端から16mmほど離した時のデータです。
  

以下は、コイルを中央付近にした時のデータです。
  

インダクタンスの測定だけでは気が付かない事です。 意外な盲点でした。
コアの上に巻く時は、クリア・ファイル、少し厚手のビニール・シート、普通紙、ボール紙などが良いと思います。
また、フェライト・ロッドを2本繋いで使用する時は、必ず透明の収縮チューブを使用して下さい。
黒色の収縮チューブは使ってはいけません!!! これもマット紙と同様に、Q値が極端に低下します。
黒色の素材にカーボンが含まれているのか? 素材が悪影響を及ぼします。
コイル部分に使用する以外での収縮チューブとしては問題ないので、粗悪品と言っているのでは無いので勘違いしないように。



表紙に戻る