1台あると便利なディップ・メーター


手持ちの三田無線研究所( DELICA )製ディップ・メーターの一部です。 
左から、標準型( 0.4 - 200MHz ) SP-5( 10kHz - 15MHz ) 310型( 1.5 - 300MHz ) New Ham Band( 0.35 - 200MHz ) WB-200( 0.4 - 200MHz )

ディップ・メーターは、国産品以外に海外でもたくさん作られています。
ただし、現在も製造しているのは数社ではないかと思います。
中古市場で探すのが早道ですが、意外と人気があるのかそれ程安く買えないかも分かりません。
使わなくなった人を見付けたら、すぐに交渉をする方が良いですね。

国産では、デリカ( 三田無線研究所 )、トリオ( 後に、ケンウッド )、リーダー電子、協立、NEC( プロ用のみ )など・・・
台湾製でGW( GoodWill製 / OEM製品もかなりあります )、HEATHKIT / B&W / Millen / Knightなど・・・
デザインも色々あり、目を楽しませてくれます。 歴史は50年以上あり、 軽く数十種類はあると思います。
意外な事に、日本製で海外だけで売られていたモデルも存在する様です。
ディップ・メーターは専用コイルと組み合わせて使用しますが、古い機種ではコイルが欠品しているのも多いです。
付属品が全部揃っていれば文句無しですが、コイルが揃っているか確認して下さい。
目盛と実際の周波数は全く合わないと思いますが、周波数カウンターで発振周波数をモニターしながら使えば
それほど困らないと思います。
周波数範囲も1.5MHz程度から200MHz程度までの機種が多いのですが。400kHz程度からカバーしている機種だと455kHz-IFTの調整用に便利です。
新品での購入は選択肢が少なくなっていますが、時々見物するオークションではかなりの高額で落札されている事もある様です。
三田無線のデジタル表示の機種は、発売当時の定価を上回る価格になっている事もあります。

また、多くのディップメーターの目盛はデリカの様に手書きではなく、印刷されています。
新品なら誤差も少ないかも判りませんが、経年変化も加わって誤差も大きくなっていると思います。
ここで紹介している三田無線研究所 SP-5( 10kHz - 15MHz )は、目盛と実際の周波数が5 -12%くらいズレています。
この点も併せて、正確なディップ点は周波数カウンターを併用するのが良いと思います。

コイルのインダクタンスの求め方:
使用する周波数帯での損失が少ないコンデンサ( セラミック・コンデンサ / チップ・コンデンサ / エア・バリコンなど )で同調回路を形成します。
あらかじめ分かっているコンデンサの容量と同調周波数からコイルの値を計算します。
スイッチング電源回路に使用する高誘電率タイプのセラミック・コンデンサは、高い周波数ではディップ点が浅かったり使えなかったりします。
10PF / 100PF / 1000PFなど数種類のコンデンサを用意しておくと便利です。

更に詳しいディップ・メーターのページは、
http://mpl.jp/ivent/tokyo_pedi_2d.html にあります。

珍しいディップ・メーターをお譲り頂ける様でしたら、ご連絡下さい。
コレクション用に低周波域( 数十kHz )から使える物を特に探しています。
協立電機・NEC製など・・故障品・コイル無しの物でも有りましたらお願いします。
特に、三田無線研究所 SP-3( 100kHz -300MHz )を探しています。

三田無線研究所 SP-5( 10kHz - 15MHz ) 非売品 秋葉原店・店頭に展示しています。


三田無線研究所( DELICA )唯一の低周波域 / 10kHzから使用できるディップ・メーターです。
大きな目盛板( 径:100mm )で見やすい! 変調機能はありません。
周波数範囲:6バンドのコイル付きです。  コイルは2端子ではなく、3端子になっています。
A:3 - 15MHz B:0.65 - 3.2MHz C:155 - 700kHz D:45 - 160kHz E:19 - 53kHz F:10 - 26kHz

 長波用コイルの測定

長波用などの大きなフェライト・ロッドの同調周波数測定には、筐体にフェライトが近接させるとディップ点が変わります。
測定時は筐体から少し離さないといけません。 この配置での結合はディップ点がうまく出ません。



フェライトの端面に配置すると結合がうまく取れます。
DIPメーターのコイルにもフェライトが内蔵されています。

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DELICA New Hamband ディップ・メーター 非売品  目盛板は手書きで見やすく、正確さが売りです。
A:75 - 200MHz  B:27 - 75MHz  C:10 - 27MHz
D:4 - 10MHz  E:1.5 - 4MHz  G:0.35 - 0.6MHz
IFT調整用に0.36 - 0.6MHzをカバーしています。

0.8 - 1.6MHz用( Fバンド )もあるのですが、目盛にはFバンドが記入されていません。


DELICA New Hamband ディップ・メーター用のコイル   細長いのが特徴のコイルです。 


バリコンの容量は12 - 180PFになっています。
現在は、デジタル表示のディップ・メーターが販売されています。



MFJ 259 1.8 - 170MHz アンテナ・アナライザー  現在は、259Bとして販売中です。
コイルの容量や共振周波数を測定するのにディップ・メーターを使用しますが、これも同様の使い方が出来ます。
最低周波数は1.8MHzです。 これが500KHzからだと文句無しなのですが。
次の様な測定が出来ます。
1,VSWR 2,共振周波数 3,同調周波数 4,ケーブルの速度係数 5,コンデンサの容量 
6,コイルの容量と共振点 7,テスト・オシレーター 8,周波数カウンター など

内蔵の電池でもACアダプターでも使えます。
オプションのMFJ-66 Dip Meter Adapterを使えば、ディップ・メーターとしても使えます。
( このアダプターはコイルなので、自作してもディップ・メーターとして問題なく使えます。)
値段の割に完成度が高いモデルです。

50オーム終端器を測定しているところ
100MHzにおいて、左側のメーターはVSWR=1を、右側のメーターは50オーム付近を示しています。

ディップ・メーター用コイルの製作( オプションとして、販売されています。)
M型コネクター / オスにボールペンなどのプラスチックやアクリル棒を差し込んでボビンの代用にします。
一番の作業は、この素材探しでは無いかと思います。
手頃な物が見つかれば、適当にコイルを巻くだけです。
周波数が高いところは数ターンで、HFには数十回巻けば良いと思います。
下の画像は、12mmのボビンに0.5mmのホルマル線を20回巻いた物です。
この場合は、数MHzでディップが浅いのが確認できました。
次回作る場合は、もう少し巻き数を増やしてみます。



 VHF用のコイル
直径11mmで3回巻きました。 100MHz付近では大きくディップします。
目的の周波数付近で大きくディップする様な巻き数のコイルを数本用意しておくと便利です。



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